令和1年12月2日
来年度に、るのバスが一台増車されるように、計画されたことをうけ、2017年12月発行の検討会の報告資料から、公共交通を検討してみる。
あきる野市には有識者や市民からなる「公共交通検討委員会」が設置されている。その会議から提出された提言書、市内6地域において開催したワークショップで寄せられた意見から、本市の公共交通のあり方について検討した結果や今後の取組の方向性を記したものだ。
るのバス便別乗車人員等は、全ルート合わせて 1 日 11 本運行し、各便の乗車人員は 8~20 人である。第 1 便は、通勤時間帯にもかかわらず、JR五日市線と平行して走行しているため、乗車人員が少なく、秋川ルートは 10 時までの需要が多く、時間帯が遅くなるに従い需要が減少する。また終バス時間は、秋川ルートは 16 時台、五日市ルート(秋川駅発)が 18 時台と早いことから、通勤需要を取り込むことは難しいと考えられるようだ。
ワークショップ実施結果では、西部(小宮・戸倉地域、五日市地域)では、買い物、通院などほとんどの目的で自動車を利用する人が多い。東部(秋川地域、菅生・草花地域、東秋留地域、増戸・引田地域)のうち、菅生・草花地域(特に草花地域)については、秋川駅より福生駅が近いこと、バスの便が良いことから福生市との結び付きが強く、鉄道利用や買い物などでも福生市を利用する場合が多いという意見が多かった。また、東秋留地域については、近年の拝島駅南口駅前広場整備や、大型商業施設の開業により、拝島駅方面の利用が増えているとの意見がみられた。
秋川地域、増戸・引田地域については、JR五日市線の利用が中心であり、路線バスはほとんど利用しないという意見が大半であった。
西部、東部とも、高齢者が増え自動車が運転できなくなると非常に困るという意見が多かったが、公共交通を利用する方向に転換するのは難しいとの意見も多かったようだ。
日大の藤井教授の研究発表資料が引用されており、従来の公共交通整備において、地域住民はライフスタイルを越えた過剰なサービスを要求して、自治体は公平性の観点からエリア拡大を求められ、交通事業者は利潤の追求型の路線網の見直しなど計画策定に積極的提案がない、その結果地域住民はとにかく走らせてくれればいい、自治体はこの地区だけに走らせるのは問題、交通事業者は採算がとれないし、運転手の確保も出来ないという悪循環に陥るとされている。
それを今後の望ましい取組方法として、地域住民は利用促進に向けた地域主体の取組に参画、自治体は地域に必要なネットワークとして地域公共交通計画を策定する、交通事業者は自治体が策定する施策にノウハウを生かした提案を実施するというものだ。まさしくそのメンバーが一同に集まった委員会があるのに、計画もなく単純に、るのバス一台を導入することに意味があるのか不明である。
しっかり検討して使いやすい持続可能な計画を行ってほしい。
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