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▪フィルムコミッションの活用

  • 執筆者の写真: 村野 栄一
    村野 栄一
  • 2019年7月13日
  • 読了時間: 2分

令和元年5月18日

フィルムコミッションとは、映画等の撮影場所誘致や撮影支援をする機関であり、地方公共団体(都道府県・市町村)などが映画撮影などを誘致することによって地域活性化、文化振興、観光振興を図るのが狙いとされている。あきる野市はこれに力を入れて各所にドラマの撮影などが入ってきた。

ミーハーな感覚で捉えると、身近な施設や街なかにテレビで観る俳優さんが撮影していた現場など出くわすと胸が躍るし、自慢もしたくなる。しかしそこで留まっているようでは行政で取り組む意味が薄い。

千葉県いずみ市では、映画フランスのカンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した「万引き家族」の海水浴シーンで使われた海水浴場には、1.5倍の客が増えたことや、人気ドラマ「孤独のグルメ」で使われた飲食店では放送前より10倍、客が増えたと店主はいう。市ではロケを2015年から207件受け入れた。観光客は4年間で31万から、41万人と10万人増えている。

あきる野市の観光客動向は西多摩地域広域行政圏協議会発行の「西多摩地域入込観光客数調査報告書」から、平成24年度報告書(平成25年3月発行)においてあきる野市の観光入込客数が約204万人で、これに対し、の平成29年度報告書(平成30年3月発行)では、観光入込客数が約250万人で、5年間で約46万人の増加を示している。

このようなロケツーリズムを国が後押しし始めた。経産省が共催となった自治体トップと映画監督など250人以上のマッチングイベントが開催された。京都府京丹波町ではロケ誘致用のパンフレットを作成してPRに努めていた。以前鳥インフルエンザの養鶏場があった場所の跡地が広く空いているので、そこを利用してもいるのである。

あきる野市でも2014年4月よりフィルムコミッションが始まり、今年で5年経過する。成果は最近ではドラマ「中学聖日記」などであきる野市各所が現場となった。200作品を超える撮影がきているという。先程記した、いずみ市と同様な数であるが、観光客の増員は5年間で46万人と大変多い。その方々をしっかり取り込んで商業の発展につとめたいものである。

このように経済的な視点から考えてみると、多く来て頂ける仕組みの基礎は出来上がりつつあるが、冒頭の地域活性化、文化振興、観光振興の視点からの成果や課題を考えていかないといけないのである。またより多くの撮影をしてもらうための場所の確保をどのように増やしていくかも課題である。

国も注目し始めると、競合も増えるので行政としては、より営業力の強化が必要になるのであろう。

 
 
 

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