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▪マース(MaaS)とは

執筆者の写真: 村野 栄一村野 栄一

更新日:2020年11月22日

令和1年10月6日


最近横文字でわかりづらい単語が、普通に通用して話されることがあるが、その一つに「マース」MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス)がある。

マースのイメージは、マイカー以外のすべての交通手段による移動を 電車やバス、タクシー、シェアサイクル、飛行機、船など、あらゆる移動サービスの予約や決済がアプリ上で可能になると捉えるのがわかりやすい。


また、マースレベル1もわからないのに、もう4まで進んでいる?なんて、世間から置いてきぼりをされている気分だが、それら一連を段階的に4つに分けているのでレベル0から4まである。

MaaSレベル0は、それぞれの交通手段の会社がそれぞれに情報を提供する従来型で、少し進んでレベル1は、利用者に料金や時間、距離など情報の統合を伝える、「NAVITIME」などがそれにあたる。レベル2はそのまま発券や予約、支払いなどの可能予約な、決済の統合であり、レベル3は公共交通をはじめレンタカーなども連携したサービスや料金体系の統合で、サービス提供の統合である。これは、あたかも一つの会社が各移動サービスを提供しているかのようなイメージで利用者がサービスを受けられる仕組みで、先行している北欧フィンランドでは、利用料金も統合され3つのプランで、月額無料はその都度料金を支払う仕組みで、最高値のプランは基本的にほぼ全ての乗り物が乗り放題となるなどのサービスが実施されている。そして最終的にはレベル4で国や自治体、事業者が、都市計画や政策レベルで交通の在り方について協調していく政策の統合となる。


2018年9月には、豊田章男社長がクルマづくりの会社を超えて人々の移動を助ける「モビリティ・カンパニーを目指す」と宣言したトヨタ自動車と、ソフトバンクが共同で「モネ・テクノロジーズ(Monet Technologies)」というプロジェクトを立ち上げるなど各社今後のマーケットを考え動いている。

しかし法制度がネックになることが考えられる。現在の日本は、道路運送、鉄道等の交通モードごとに事業法が定められており、マースによる提供される移動について、安全や利用者保護等の責任や、交通事業者とアプリ運営事業者との関係性、収集されるデータの保護・活用も含め、交通関係事業法との関係の整理が必要となる。

先程の例でも示したが、フィンランドでは、先述の交通サービス法により、各交通モード及び関連デジタルサービスが一つの法律で規定される予定がある。


今までは、マイカー所有者の増加に伴い郊外型の店も増加し、商業地などが分散してきた。高齢者増のなかで、マイカー非所有者が公共交通に頼った生活になり足の確保が必要で、自治体からの財政支出に支えられている路線も多い。今後基幹となる鉄道やバス路線を軸に、デマンドバスやタクシーなどを効率的かつ利用しやすい形で提供することで新たな需要を喚起し、顧客減に歯止めをかけながらコスト削減にも努め事業の継続性を確保していくことが必要であり、誰もがやや遠方のスーパーや病院に安心して出かけることが可能になるために、地域の各移動サービスを一つの交通サービスとして捉えた「マース」は地域の課題解決の助けになると考える。

 
 
 

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