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執筆者の写真村野 栄一

▪予算と地域経済

平成31年3月2日

総務省の統計局のデータより、東京都の持ち家率は全国最低だ。2013年の住宅・土地統計調査によると、トップは富山県の79.4%だった。2位以下は秋田県、山形県、福井県、新潟県と続き、日本海側の県がトップ5に入った。最下位の東京都は45.8%と全国平均の61.7%を大きく下回ったと2017年の日経新聞の記事にある。

そこで、平成27年の国勢調査から、持ち家を一般世帯数で割って算出すると、あきる野市の持ち家率はなんと、富山県までには届かないものの、75.5%あり、全国5位の新潟県と同じであった。

今回の予算では、家屋の増加に伴う固定資産は増える見通しである。その中身を細分化してみると、新増改築の件数は見込みで496棟であり、数年間を通しても多い方である。平成30年1/1~12/31までの転入転出を確認してみると、年齢0~5歳の流入者は255人、転出者は145人で、110人増であり、6~10歳で21人、11~15歳で、7人、16~20歳で、20人と、いずれも増である。それ以降は21~30歳で130人減であり、その年代のみ減っており、その後31~45歳までは155人増で、5歳刻みで括ると、減っている年齢はない。

ここから読み取れるのは、小さいお子さんをもった若い世代が転入していることが、伺えると思う。

建売の相場を業者へ確認したところ、38~40坪くらいで、良い場所は除いて、2500万前後が売れ筋であるとのことであり、同様の坪数を例えば羽村市で購入すると、500万以上は値が上がるとのことであった。

そのあたりも転入のしやすさを助けていると推測される。

少し違う視点が考えると、当市では、世帯あたりの犬の頭数は、13.1%で東京都の23区や26市を含めたデータでトップであった。これも持ち家であることなどの要素が強いのではないかと推測出来る。

あきる野市総合計画の後期基本計画の人口構造の変化のグラフを読むと、若干人口の減りがはやいようであるが、今後、本市にとっての、適正なまちの規模で市民数の判断基準をどう図っているのか。

ある論文を読むと、適正規模の算出は難しいようである。視点が、地方財政の 観点からだけでなく、産業経済や、さらに地方自治、コミュニティなど、広範な観点 から検討されなくてはならないことや、人口当たり歳出総額を最小にするという意味から求めること、住民の選好を反映しやすく、きめ細かな対応をしやすいという小さな町のメリットも勘案するや、規模の経済性という大きな町のメリットの両方 を勘案した上でとか、その妥協点として適正規模を決めるなどいろいろとある。

今あるべきと考えるまちの規模を独自で定め、人口の増減を検討していくことが、無秩序な地域にならないために必要であろう。

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