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執筆者の写真村野 栄一

▪産業振興と経済効果

平成31年4月20日

あきる野市の産業構造として、卸売業と小売業24.2%で569事業所、宿泊業・飲食サービス業10.9%257事業所を合わせると、35.1%826事業所で全体の3割を超える。この2つの業態に刺激策を施すと、相乗効果はうまれやすいので、よくあるプレミアム商品券は単純にバラマキと揶揄されるが、対象の事業所の6150人28.5%の従業者も潤うので、効果は高いと考えるのは間違っていないと感じる。

また従業者数が多いのは医療・福祉系で20.3%4365人である。次いでは先程の卸売業と小売業19.5%4193人で、建設業は378事業所で従業者数1888人であった。(平成28年調査)

農業をみると、経営耕作地総面積は平成17年と27年の10年間で23,570アールから、10,114アールが減って13,456アールだ。単位を変えると約30万坪が減った面積になる。

ちなみにあきる野市の面積を坪に換算すると、22,224,675坪なので、1.3%が経営耕作地では無くなったことになる。全体からすると、大したことがないようであるが、農地全体の約43%が無くなったと考えると対策を考えないといけない状況だ。また75歳以上の農業経営者が49.2%に増加していることも同様である。

工業では、製造業で従業者4人以上の事業所は102ある。この数値は武蔵村山市に続いて都内類似自治体では2番目の順位である。また製造品出荷額等の金額を従業員一人あたりで示すと、19,522千円/人であった。これは6番目の順位である。ここからは単価の低いものを多くの事業所で製造していることが伺える。

他市では一番高い従業員一人あたりで示すと、製造品出荷額等の金額90,345千円/人であり、次いで東大和市の72,868千/人、狛江市36,177千/人と続く。

商業は平成26年には499店となり、10年前の平成16年の666店に比べ減少している。ここで問題になるのは、従業員の年間商品販売額であるが、17.1百万円/人で都市間比較は清瀬市と並んで9自治体比較対象中で最低であった。

また単純に従業員数を事業所数で割ると7人から10人程度の規模であり、店舗あたりの売上を平均で表すと最高額は国立市の4億2千万円、続いては羽村市の2億7千万円、あきる野市は最低の1億2千万円であった。国立市は吐出しているので、外した8自治体間の平均をみると、1億9千万円なので、その水準までを目標値とすると、各店7千万円売上を向上させる必要がある。

最後は観光である。滞在人口の出発地の割合を見ると、都内が67.5%、都外は32.5%で埼玉県の所沢や入間、神奈川の相模原が多いとデータから分析されている。この結果からは近隣からあきる野市に訪れていることがわかる。またナビタイムの検索結果からサマーランドが2016年8月の休日に1250回検索されている。ちなみに2位は瀬音の湯で125回程度であった。

この結果から夏場のサマーランドの来場者に対してのアプローチが市内において皆無であることは、機会の損失であり、あきる野インターとほぼ直結している立地ではあるが、帰宅方向によっては、少しだけ遠回りになるが、日の出インターを使うルートを推奨していき、その線上に物産を用意することも考えられる。

現在はルピア1階には、いろどり屋があるが観光客目線からすると、ワクワク感が乏しい気がする。一日遊んで帰る時間にはファーマーズの品揃えの問題もあるなど、思いつくだけでも課題がある。

雑駁であるが、産業の構造から、農業、工業、商業、観光という視点で展開してきたが、人的や観光資源など目標をもって広げたり集中したりと工夫ができる余地があると感じた。

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