高齢者事故が社会的に注目
高齢者の事故が連日報道されていた時期がありました。高齢ドライバーの事故はそんなに多くなったのかというと、統計的にはそうでもないのが現状ですが、立体駐車場からの落下、商業施設へ突入、高速道路逆走、ブレーキ踏み間違いなど、高齢者以外ではあまり考えづらい、事故が多いので報道されるのでしょう。
免許証を返納しない、高齢者自身はどう考えているのかというアンケートがあります。結果は「自分はまだ衰えていない」と自尊心感情が高いことが、わかりました。そうであるならば、当然返納のススメには反発となります。周りで危険を感じても本人と家族が判断するしかありません。
免許返納者の将来予想
2027年には100万人が返納して、交通弱者が誕生してしまうという予測もあります。しかしドライバーを卒業しても、移動手段の社会の仕組みが作られていないのであれば、自宅で引きこもって、老いを加速させてしまう危険性もあります。
くるま中心の道路
日本にはガードレールが諸外国では、考えられないくらい多いと言われており、事故の70%が交差点で発生します。 また信号のない交差点に歩行者がいて、車が止まる率を調査したところ、全国平均が17.1%で、最低は三重県の3.4%でした。このように、ドライバーに弱者保護の視点が薄くなっていることが、伺えます。
今後の展開として
昭和30年代に建設省も、警視庁も、「いかに早く安全に車をさばくか」を考えて、邪魔になるものは、歩道に、という考えのもと進んできました。現在の歩道橋もその遺産です。歩道橋の近くには、横断歩道が設置出来ないと言われてしまいます。
そのような状況を打開するためにも、道路の再分配が必要です。自転車は最近では歩道を走るようになりましたが、電動車いすや、スローモビリティーなども幹線道路で、往来が激しい道路でなければ、許可するように働きかけていくことも大切だと思います。
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